始末な暮らし
2011-05-10
「昔、バイクで転倒し、血まみれになったことがある」
「ええ〜?」
「それが修理代がエラク高くついて……。まだ学生だったので、かなりの負担になった」
「うん」
「そこで考えたのが食費の節約。すでに光熱費や衣服代は削り込んでいるから、食費しかない」
「で?」
「まずは水筒だ。お茶を入れて大学に行く。自動販売機でジュースを買うのをやめたのだ」
「へえ〜」
「それだけでは足らない。自炊も始めた」
「はあ」
「ご飯としょう油と卵と七味だけで朝・昼・晩飯を作った」
「ちょっと待って。昼食って弁当?」
「その通り! 朝8時に起きてご飯を弁当に詰める。ヒゲを剃りながら卵を炒める。それをご飯に載せ、扇風機を当てて冷ます。その間に洗顔、歯磨き、着替えを済ませる。冷めたらしょう油と七味をかけて出来上がり。弁当箱はスーパーの袋にくるみ、横にならないようカバンの底にしまう。水筒を縦に入れ、教科書を詰めると、すでにカバンはパンパンだ」
「ムチャクチャねえ〜」
「これを3カ月続けると、かなりのお金が貯まり、めでたくバイクも直った」
「全くもう、元祖エコ人間ね!(笑)」
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