梅毒

2011-04-16

スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマによって発生する性感染症。 試験管内の培養は不可能のため、病原性の機構はほとんど解明されていません。
主に性行為により感染、皮膚や粘膜の微細な傷口から侵入し、進行によって血液内に進みます。これ以外にも母子感染、輸血血液を媒介とする感染もあり、母子感染の場合、子供は先天梅毒となります。 梅毒トレポネーマは抗生物質への耐性は獲得していないため、早期にペニシリンなどの抗生物質の投与で治療すれば全快します。

○第1期○
感染後3週間〜3ヶ月の状態
トレポネーマが侵入した部位(陰部、口唇部、口腔内)に塊(無痛性の硬結で膿を出すようになり、これを硬性下疳と言う)を生じます。塊はすぐ消えますが、稀に潰瘍となります。また、股の付け根のリンパ節に腫れが生じます。6週間を超えるとワッセルマン反応等の梅毒検査で陽性反応が出るようになります。

○第2期○
感染後3ヶ月〜3年の状態
全身のリンパ節が腫れる他に、発熱、倦怠感、関節痛などの症状がでる場合があります。バラ疹と呼ばれる特徴的な全身性発疹が現れることもあります。赤い目立つ発疹が手足の裏から全身に広がり、顔面にも現れます。特に手掌、足底に小さい紅斑が多発し、皮がめくれた場合は特徴的です。治療しなくても1か月で消失しますが、抗生物質で治療しない限りトレポネーマは体内に残ってしまいます。

○潜伏期○
前期潜伏期
第2期の症状が消えるとともに始まります。潜伏期が始まってからの2年から3年間は、第2期の症状を再発する場合があります。
後期潜伏期
不顕感染の期間で数年から数十年経過する場合もありますが、この期間は感染力を持ちません。

○第3期○
感染後3〜10年の状態
ゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生します。また、この状態になってしまうと治癒は不可能となります。

○第4期○
感染後10年以降の状態
多くの臓器に腫瘍が発生したり、脳、脊髄、神経を侵され麻痺性痴呆、脊髄瘻(脳梅)を起こし死亡に至ります。

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