半殺しの中の決意
2010-04-10
「福山マラソンは楽しかったなー」
「結局参加したのね!」
「人間の思考回路の変化が分かり、おもしろかった。走り始めの頃は『ツバメがもう来ている』とか余裕をかましていたんだ」「ふ〜ん」「汗が出始めた頃から変になってきた。今のトレーニング方法を後悔し始めたんだ」
「?」
「これまでは、ボディライン、特に大胸筋や腹筋を目立たせる事ばかり気にしてた。よって瞬発力は伸びても持久力が全くだめ」
「なるほど」
「そうしてたら、右膝がグキっとなった」
「キャー」
「所がアドレナリンが分泌しまくっているから、『左膝はまだ動くやんか! 左膝が故障したらリタイヤしよう』と訳のわからない理論が頭を巡って走り続けた」
「おバカねぇ」
「しばらく走ると、その激痛に慣れてきて、身体がさらなる激痛を要求してくるんだ」
「え〜?」
「で、夏のトライアスロンに出る決意をした」
「走りながら?」
「そう」
「あきれて聴いてられないけど、何か言いたいの?」
「人間は半殺しの心身になると限りない可能性が噴出するんじゃないかな? これは日本国への助言でもある」
「大ばかねっ」