子宮後転症(子宮後傾後屈症)

2011-04-16

-子宮後転症(子宮後傾後屈症)とは-
子宮は通常、前傾前屈の位置をとっていますが、後傾後屈の位置をとる状態を子宮後転症(子宮後傾後屈症)と呼びます。正常女性の約20%に認められるといわれています。
特に障害を伴わない場合は病気とはみなしません。子宮後転症はかなり以前には病的と考えられ、手術が行われていた時代もありましたが、現在では治療の対象とは考えられていません。
その理由としては、腹腔鏡検査が進み診断能力が向上して病気が見つかるようになっていること、初婚年齢・初産年齢が上がっていること、出産回数の減少などが指摘されています。

-原因-
大部分は可動性であり、病気ではありません。
骨盤内の炎症や子宮内膜症などが原因で、子宮と直腸あるいは骨盤腹膜と癒着し、非可動性の子宮後転症になっていることもあります。
この場合には、原因疾患による症状が現れることはありますが、子宮後転症そのものによる特有な症状というものはありません。

-症状-
子宮後転症だけに特有な症状はありません。

-検査と診断-
内診や超音波検査により容易に診断が可能です。

-治療-
現在では子宮後転症そのものは異常とは考えられていないので、治療の対象にはなりません。

-子宮後転症(子宮後傾後屈症)に気づいたら-
子宮後転症が癒着に起因するものであれば、原因疾患が治療の対象になるかどうかを調べるため、検査を受けることが望ましいと考えられます。

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