尖圭コンジローム感染症
2011-04-16
尖形コンジロームは、ヒトパピローマウイルス6・11型などが原因となるウイルス性性感染症で、生殖器とその周辺に発症します。淡紅色ないし褐色の病変で特徴的な形態を示し、視診による診断が可能です。 自然治癒が多い良性病変ですが、パピローマウイルスの型によっては悪性化する場合がありますので注意が必要です。
一般に自覚症状に乏しいのですが、外陰部腫瘤の触知、違和感、帯下の増量、掻痒感、疼痛が初発症状となることが多いようです。
表面が刺々しく角化した隆起性病変が特徴で、淡紅色~褐色の乳頭状、鶏冠状、あるいはカリフラワー状と表現されます。好発部位は、女性では膣・膣前庭・大小陰唇・子宮口・また男女とも肛門及び周辺部・尿道口です。子宮頸部、膣に発症した場合は、外陰の病変同様の症状を呈することもありますが、扁平な病変を形成することもあります。20~30%は3 カ月以内に自然消退します。
外科的治療には、切除、CO2レーザー蒸散法、電気メスによる焼灼法や液体窒素による凍結法があります。CO2レーザー蒸散法は、治療による周辺組織の損傷が少ないこと、高い治療効果が速やかに得られることから最も優れています。
薬物療法としては5-フルオロウラシル軟膏、ブレオマイシン軟膏などを塗布する方法がります。
細胞診で陰性になった場合に治癒としますが、通常ヒトパピローマウイルスの感染から尖形コンジロームの発症には数週間から3カ月程度かかるといわれているので、治療終了後も最低3カ月は厳重な経過観察をして、再発の早期発見に努めることが必要となります。
また、垂直感染を予防するために、妊婦で発症した場合には分娩までに治療を終了するべきです。