子宮体がん(子宮内膜がん)

2011-04-16

A.子宮体がんとは
子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれるように、胎児を育てる子宮の内側にある子宮内膜から発生する病気です。

同じ子宮のがんであっても、 子宮体がんと子宮頸がんは、診断・治療・予後においてすべて異なりますので、子宮体がんと子宮頸がんの違いを正しく理解することが大切です。

年齢別にみた子宮体がんの罹患(りかん)率は、40歳代後半から増加し、50歳代から60歳代にピークを迎え、その後減少しますが、近年では子宮体がんは年齢に関係なく増加傾向にあります。罹患率の国際比較では、子宮頸がんが途上国で高いのに対し、子宮体がんは欧米先進国で高い傾向があります。

B.主な原因
子宮体がんは、エストロゲンによって増殖するタイプと、エストロゲンに関係なく発生するタイプに分けられます。

確立したリスク要因としては、閉経年齢が遅い、出産歴がない、肥満、エストロゲン産生がん、がリスク要因とされています。薬剤では、乳がんのホルモン療法に用いられるタモキシフェンや、更年期障害等に対するホルモン補充療法などで用いられる、エストロゲン製剤の単独使用などが挙げられます。

その他のリスク要因として糖尿病、高血圧、乳がん・大腸がんの家族歴との関連が指摘されています。

C.症状
子宮体がんも初期のものほど治療成績がよいので、早期に発見(診断)することが大切です。もし、月経とは無関係の出血、おりもの、排尿痛または排尿困難、性交時痛、骨盤領域の痛みなどの症状を認めたならば、婦人科医の診察を受けることが大切です。子宮体がんは、肥満、糖尿病、高血圧のある女性に多いとの報告があります。

最も普通に認められる症状は出血です。特に、閉経後に少量ずつ長く続く出血がある時は、早めに婦人科あるいは検診を受診し、子宮体がんの検査を受ける必要があります。

検診などで、子宮がんの検査という場合、子宮頸がんのみの検査を指すこともあるので、注意が必要です。

また、子宮頸がんと同様に初期段階での治療での生存率は90%を超えますが、がんの最終段階では20%を切ります。

D.診断
子宮体がんは子宮の内側より発生するので、普通の子宮頸がんの細胞診テストでは見つけられません。

子宮内膜の異常を検査するためには、頸管拡張と掻爬(子宮内膜を含め、子宮内腔内の異常組織をかき出す)やスプーン状に湾曲した器具で、子宮壁にできているものを除くために丁寧に削りとります。少し痛みがありますが、各個人によって痛みの強さは異なります。また検査後、数日少量出血することがありますが、検査によるものですので心配はありません。採取された組織はがん細胞の有無などを調べるために組織診断に提出されます。

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