エアコン無しで若返る
2011-09-10
「昨夏の猛暑と今冬の厳しい寒さで身体がすっかり若返ってしまった」
「え？」
「気温の変動にバッチリついて行けてるんだ」
「へえ～」
「子供の頃って暑くても寒くても外で何時間も遊んでたろ？」
「うん」
「それがこの夏、バッチリできた」
「それにしては真っ白じゃない」
「そう。紫外線対策でずっと長袖で通したのだ」
「まあ!!」
「身体は若返っても、お肌年令は上昇しているからな。でも海や山や川や谷や……と忙しかった。ところでクーラー掛けないと家って昔の匂いがしてくるね」
「？」
「水まきをした庭先からは土の香り。湿気で畳がねちゃついて肌にひっつく感じ。蚊取り線香にスイカ……。最高の気分だ」
「へえ～、エアコン無しって信じられない」
「で、分かった。若い頃にしみついた生活環境を再現すると、大脳皮質の奥底で眠り込んでいたヤングパワーホルモンが目覚めるんだ、と。これに金曜８時の大木対ブラジル戦が再放送されたりしたら、俺は一生、死なないかもしれない」
「とかなんとか言って、エアコン代を浮かしたいだけじゃないの？」
「あはは、ばれたか。最初の動機はそれだったけど…。エアコン代ケチッているうちに分かったことなんだよ」
「なんか、うそくさいね～」
