里山だから育つタンポポ

2021-07-10

「天ちゃんは、どんな花が好き?」

「タンポポ。」

「えっ?」

「タンポポは、もともと日本に生息していたニホンタンポポと、外来種であるセイヨウタンポポに分類されるんだ。」

「見分け方は?」

「ニホンタンポポは花の付け根にある総苞が閉じているのが特徴。」

「なるほど。しかし、セイヨウタンポポが外来種と言う事は…。」

「その通り。日本でも確認される8割はセイヨウタンポポ。」

「少し残念ね。」

「その大きな理由はセイヨウタンポポがニホンタンポポを駆逐したのではなく…。」

「あらま。」

「都市化による山里の減少にある。」

「?」

「ニホンタンポポの繁殖には受粉が必要なのに対して、セイヨウタンポポは受粉せずに種子を実らせることができるんだ。」

「で…。」

「都市化した土地にニホンタンポポが入っても、受粉する相手と花粉を運ぶ昆虫がいないと繁殖しない。」

「なんと…。」

「セイヨウタンポポは極論を言えば、たった1個体で繁殖が可能だよ。」

「結局、人間の自然への介入が原因なのね(涙)。」

「そうなんだ。」

「で、天ちゃんはタンポポのどこが好きなの?」

「開花して種になるまでが、わずか3日というスピードってところかな?」

「たったそれだけ?相変わらず軽いわね。」

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