田んぼは生物の家だ!!
2010-08-10
「あと数回で夜店も終わり！ 今年も皆勤賞だった」
「へ〜毎週行ってたの？」
「当たり前だろ。90歳になる風船つりのおじいさんがいて、毎年その人に会うのが楽しみなんだ」
「へえ〜」
「人生の大先輩だから、昔話も面白い。しかし、先週はごく最近の話題が出てきた！」
「？」
「ジャンボタニシの駆除方法だよ」
「は？」
「知り合いの農家の方が、いくら農薬を散布しても効果がないから、田の水張りの調節でタニシをコントロールしているらしい」
「？」
「田植え直後は水を張らない。水がないとタニシは寝ちゃうんだそうだ」
「それから？」
「そして苗がしっかり根を張り、丈夫な苗に成長した頃から少しずつ水を張る。すると固くなった稲の苗より、雑草の軟らかい新芽ばかり食べるんだって」
「へえ〜」
「そのおじいさんが言うには『田んぼは人の米を作るだけの場所ではない。多くの生物の家だ！ 新種の農薬作るヒマがあったら、こんな共存方法を考えた方が手取り早い！』と」
「なるほどね！ ところで天ちゃんが風船つりの前にしゃがんでたら、テキ屋と間違えられない？」
「そこが悩みなんだ。本職より似合ってるみたいで……」
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